犬鳴峠

犬鳴峠 怖い話
犬鳴峠

犬鳴峠

投稿者:くにやんさん

あれはもう10年以上前になります。
当時付き合っていた彼女と犬鳴峠に行ったときのことです。
それ以前から犬鳴峠の噂は何度も聞いてましたし、
実際に行ったことはありました。
でも実際に何かを見たとか、感じたことはありませんでした。
単なる薄気味悪い場所としか思ってなかったんです。
犬鳴峠に向かって車を走らせましたが、彼女には内緒にしていました。
いよいよ犬鳴に近付いたときに「今から犬鳴峠に行こう」と言うと
、彼女は泣きながら大声で
「嫌だ!絶対に嫌だ!!」と嫌がりました。
御存じでしょうが、旧トンネル手前に三叉路がありますので
そこでUターンするつもりでした。
三叉路に付くと、それまで泣きわめいていた彼女は
泣き止んでいて、ぐったりしていました。
そのときはきっと泣きつかれたのだろうと思いました。
彼女に「Uターンしようか?」と言うと彼女はぐったりしたまま
「いいよ。行こうよ。」と言ったのです。
「じゃあ行こうか。」と車を旧トンネルに向けて走らせました。

夏で車のエアコンが調子悪かったので
窓を開けていたのですが、彼女は窓を閉めるのです。
「暑いやん。開けとこうよ。」と言うと
「入ってくるけん、だめ。」と言ったのです。
「何が入ってくると?」と聞いたのですが返事はありません。
そうしている内にトンネルを抜け、新トンネルの方まで降りてきました。
その間彼女は一言も発しませんでした。
私は怒ってるのかな?と思って気まずい雰囲気だな~。
どうしよう?と、なんとなく車を
福岡方面に向けて走らせていたその瞬間!
いきなり彼女の顔がハンドルの下から
潜り込むように覗いたんです。

目・鼻・口すべて彼女のそれなのに、
顔は全く違う人の顔でした。
凄い形相でこちらをにらみ、野太い腹に響くような声で
「恐いだろう!恐いだろう!!」と2回言ったのです。
もうそれは彼女の顔、声ではなく、別人の顔、声だったのです。

私はもう恐ろしくて思わず急ブレーキで車を停めて、
思いきり彼女の顔を引っ叩きました。
すると彼女はびっくりしたような顔で
「何するの!」そう言ったときにはもう彼女の顔、
声に変わってました。
今でも忘れません。
あれが取り憑かれたということだと信じて疑いません。
それからです。
私の身の回りに理解できない不思議なことが起きるようになったのは・・・

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