深夜の海水浴

怖い話

深夜の海水浴

投稿者:ひろくん@熊本さん


20歳前後、心霊スポットめぐりが流行っていた今から7~8年前です。
友達数人で集まっていたとき、深夜の海に行こう、という話になり、

友達の親の車に 5人乗って行きました。
確か、12時を過ぎていたと思います。

熊本市から八代を通って水俣方面へ行くと、芦北という町があります。
そこに”芦北海水浴場”(現在はもっとポップな名前になってます)に走っていたときのこと。

当時は非常に感度がよく、道端に佇んでいるものたちが見えてました。

同乗した友達に、

「あの電信柱の横に人間の背丈ぐらいの木があるでしょ、

そのよこに母親と小学生ぐ らいの子供の霊がいるよ。」と教えると、

友達は 「何か白いモヤモヤしたものが見えたよ。」と話をしながら行きました。
走っていくと右側に海が見えてきだして、
ところどころに海水浴場が見えます。

ふと見ると、海水浴場の海の中に白い物が幾つか浮いています。

??と思っていると車は走り去り、目的地へ。
駐車場から浜辺までは階段を下っていきます。
靴やゾウリで歩いていると、ふと変な足音がします。

私の後ろで、ハイヒールの”カツッ、カツッ”という音がします。
あれぇ、こんな音のする靴を履いてるヤツはいないハズだけど...

と思ったら、背筋がぞっとして、背後に霊のいる雰囲気。

4人で行ったのですが、その最後尾を私が歩いているのに、その後ろから足音。
とにかく騒がないように降りて、砂浜の前を通ってるアスファルトを数歩行くと、

背後の気配はついてこない。

勇気を出して振り返ると、ピンク色のワンピースを着た、髪が胸まである女性。
不思議と表情は見えないんですよ。顔にフォーカスがかかった感じ。
ちょっと寂しそうに感じました。

浜辺をあるいていると、しゃがんでるひとにぶつかりそうになりました。

「おっと、ごめん。」 しかし、友達は素通りしていきます。
見えてないんですよ。

中学~高校生ぐらいの痩せ形の青年で、浜辺でうつむいてしゃがんでいました。

彼も寂しそうでした。

浜辺の右側をずっと行くと岩場があり、釣りに絶好なポイントがあります。

しかし、そちらの方向がすごく怖いんですよ。

ちょっと霊感のある友達に「あっち、怖くない?」と訪ねると、

「ああ、俺もそう思う。行っちゃだめだよ。帰ってこれないかもよ。」
なんだか、引きずり込まれる感じがしてとても怖い。 浜辺をよ~く見てみると、薄くなってたり
体の一部分だけだったりする霊がどこそこにいます。

しばらく友達は夜の海を泳いで、さあ帰ろうか、となりました。
さっきの階段を通るのはイヤなので、
遠回りになりますが車の通る道があります。
そこを登っていきました。
海側を私が歩き、山側を友達が歩く。
でも、友達の向こうに白い人影が見えるんですよ。
前には友達二人が歩いている。
ゾウリや靴の音に混じって、ペタペタと素足の音。
車に戻り、じゃあ帰ろうか、

と帰り道を走っているときのこと。 来る途中で見えた海水浴場の白い影、
海の中に見張り台が二つあって、
その間をいく つか浮かんでいます。
たぶん、海の事故で亡くなったひとたちなんだろうなぁ。

これを見てから、海がかなり怖くなりました。

足のつかない場所に行くのは、ものすごく勇気がいります。

先週、うちの奥様が運転して行った海水浴場がこの場所でした。 日中は何も起こらないだろうとは思っていても、
やっぱり気持ちいいものじゃない。
足のつく場所で遊んできました。
それにしても、7年も経っていればかなり変わるものです。

駐車場からの長い階段が、歩く歩道になっていました。

しかし、壊れていましたけど(苦笑)。

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