通り道

怖い話

通り道

投稿者:桜さん


私がまだ、中学生だった頃の話です。
当時の私は、一度寝たら朝まで起きないという、
今では考えられないほどの熟睡をする子供でした。
12時前には就寝、7時起床・・・
随分と健康的な生活を送っていたものです。
しかし、ある日を境に私は毎晩決まった時間に
目を覚ますようになりました。

午前3時。
目が覚めると、毎日決まって同じ方向に同じだけ、
布団から足がはみ出している。
当時は床に布団を敷いて寝ていましたから、
足がはみ出しても床の上なだけで、
ベッドのように落ちる心配はなかったのですが、
毎日同じ・・・となるとちょっと気味が悪くなってきます。
寝る時は確かに布団の上に真っ直ぐに
横になっていたはずなのに、
目覚めると身体が斜めに向いて下半身が
布団からはみ出している・・・
よほど私の寝相が悪いのかと思いましたが、
毎日同じ方向にはみだすというのもおかしな話です。

そこで、私はよく考えてみました。
当時の私の部屋は3方向が窓になっており、
残る一方が出入口でした。
人ならぬものが窓から入って窓へ通り抜けるというならば、
適した環境だったのでしょう。

そして、方角。

私の家は四方に対して斜に建っていました。

「西向きの玄関」が、実際には「北西」に向いているのです。
私の部屋の窓の一つは、見事に「北東」つまり鬼門とされる
丑寅のほうへ向いていました。
南西の窓に頭、北東の窓に足を向けて寝ていた私は、
どうやら「通り道」を塞いでいたようです。
人ならざる者達は、通りぬけるのに
邪魔な私の体を動かしていたのでしょうか。

鬼門というのは周期ごとに開いたり閉じたりするそうで、
しばらく夜中に目を覚ます日々が続きましたが、
またある日を境にぱったりと止まりました。

後日、この話をその方面に詳しい方に話したところ、

「その程度で済んだのは幸いだった。
もし通りぬける最中に目を覚ましていたら
命はなかったかもしれない」と言われました。

確かに、私は命拾いをしたのかもしれません。

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