投稿者:屋敷サカエさん
高校生の時の話です。
この頃、父は夜行列車の運転手をしていました。
その父が夕方帰宅早々「今日は肉料理はやめてくれ!」
と母に言っていました。
なんでも、昨日の晩運転していた列車に人が飛び込んで
『まぐろ』を片づけてきたからと…
僕は叉かと思い、よく話を聞かずに天竜川の花火大会に出掛けました。
自宅から打ち上げ会場までは自転車で数十分位。
途中陸橋をくぐって、 踏切りを渡り堤防まで行くのですが、
この日に限ってその踏切り付近に人通りがない。
花火大会が行われる時以外でも、必ず人通りがあるのに。
と不審に思いながらも踏切りを渡っていた時、
線路端の草むらから何か気配を感じる…
夏の夕方で、まだ辺りは薄暗い。
何だろうと思い自転車を降りて草むらを見ると、
黒くて丸い物体が、草の丈の高さに漂っていました。
大きさはボーリングの玉位で少しいびつ……。
やばいな~と思い、目を離さずに自転車を押して
その場を後にしようと 1、2歩進んだ時、
黒い物体はフッと下に降下して消えてしまいました。
何だったんだろうと思いつつ、花火大会も終わり、
先程とは違う道で帰宅しました。(恐がりなので…)
父に「出掛ける時変な話をするから奇妙なもの見た」と言ったら、
「昨日轢いた仏さん、その陸橋の手前だったぞー」ついで
「レールを枕にしてこっちを睨んどった」
「首が飛んだんで頭を探したら、まだ睨んでやがった」
さらっと言ってのけました。
ちなみに、首が落ちていたのは踏切り付近の草むらだったそうです…。
僕が見たのって怨念がこもった首だったのでしょうか?