投稿者:GT-Rさん
小学生の頃、夏休みを利用して友人数人ときもだめしに行きました。
場所は町郊外のお寺。
参道脇に昔の権力者の墓があり、
その裏に戦時中使用されていた防空壕があります。
意を決して壕内に入りました。
入るとすぐ、生暖かい風が首筋を駆け抜け、
キンキンという耳鳴りが起こりました。
あとで言われる事を考えると引き返すとも言えず、
我慢して前へ進みました。
最初の角を曲がった時、それは起こりました。
後方(つまり入り口)からのすさまじい轟音とフラッシュ。
みんなビビリ、絶叫しながら壕の奥に駆け込みました。
不意に目の前が明るくなり、気がついてみると
寺の本道脇にもうひとつある壕入り口に来ていました。
話す気力も失せた私達は、帰るため参道の石段を
大急ぎで下ったのですが、ふと振り返った私は見てしまったのです、
ボロボロの国民服を着た血まみれの男が墓の裏の壕に駆け込むのを。
後に祖父に聞いて分かったのですが、
空襲の時避難しようとした男性があの壕入り口で
グラマン戦闘機の機銃で蜂の巣にされ亡くなったそうです。