投稿者:Tamさん
こんばんは、深夜のドライブで怖い思いをした方も多いと思いますが、
私にもそんな経験があります。
私は、裏道や抜け道を探すのが好きで、その日も新しい裏道を探すべく、
路地へ路地へとハンドルを切っていました。
仕事にちょっと手間取り、時計は夜10時を回っていました。
「もう少しで、自宅側からの裏道とつながる。
ちょっと(かなり)細い道だけど、今日はここを通って見よう。」
田圃の中の農道です。
道はやがてさらに細く、舗装もなくなり、完全にあぜ道となり、
そして轍さえも雑草に覆い隠されてしまいました。
「う~む。今日はこれまでか。またしても失敗。」
やむを得ず、車を止めました。まわりは田圃、開けています。
真っ暗ですが何の恐怖心もありませんでした。
この時までは。
私が車をバックさせようとした時、後方から
「無灯火」の車がゆっくりと近づいて来るのに気づきました。
!?おかしいのです。
それは、これだけの悪路の中で全く揺れずに、
水平に移動するように近づいて来るのです。
まるで質感が無いのです。
おまけにすぐ近くまで近づいた「それ」には、人が乗っていないようです。
テールランプがかすかに届く「それ」の運転席に、人が見えないのです。
この時点で、すでにかなり動揺していた私は、
前方に民家の灯りを認めました。
ちょっとした悪路を登った先に、救いの様な民家の灯り。
そして本物の恐怖心に襲われました。
「さっきまで、そんなの無かったよな!?」
刹那、私は車を後ろへ下げました。
近づくその車。
しかし遠近法を無視するような感覚です。
その時、背後の車の中央から光が広がり...その背後に人影が...
人でした。
ちょっと怒った顔をしたおじさん。
直感で「人」と感じました。
懐中電灯を持って、車の横に来ました。
「こんなところで何してる!」
「すみません。抜け道を探してて、つい...(かなり安堵)」
「おまえみたいな馬鹿が、この先の崖に、
今月だけでもう3台も落ちてる。
おまえも怪我したくなかったら、くだらん事してんじゃない。
変な事してると警察呼ぶぞ!!」
...もう民家も車もありませんでした。
その先は、何も無く、人の背丈ほどの段差になっていました。
それ以来、私は...相も変わらず抜け道探しをやめられません。(日中のみ)