投稿者:麗。さん
これは、私が小学校6年生のころに体験した話です。
私が行った修学旅行の舞台は、広島・岡山でした。
1日目の昼は何事もなく終わり、
みんなはとてもはしゃいでいて、
部屋でお菓子を食べたり絵を描いたり
トランプをしたりしていました。
その日の夜、5~6人だけでおきて話をしていると、
私たちが寝ているすぐそばにある窓から物音がします。
場所は、広島。
原爆が落ちた県です。
幽霊が出てもおかしくはないと思い、
その5~6人のなかでいちばん勇気のある私が
障子を開けてみることにしました。
暗闇の中、目をこらしながら障子を開けると…
髪を振り乱し、血走り、腐った目で、
こちらをにらんでいる女の姿と、その女の後ろに立っている
ボロボロの服を着た兵隊さんが立っていました。
その女の人は、広島原爆資料館で見た、
蝋人形にそっくりでした。
よく見てみると、その立っていた女の人と兵隊さんは、
足がないのです。
手は焼け焦げて灰になり、2人とも顔が腐り落ち、
腐敗したにおいがしました。
私は怖くなり、窓を閉め、障子も閉めました。
そのさまを私と一緒に見ていたKちゃんは、
「…あの人たちも、今日原爆資料館で見た原爆に
やられたのかなあ…かわいそう…よかったら、
代わってあげたい…苦しかったと思う…」
といっていました。
翌日、そのことを先生に話すと、
「その女の人と兵隊さんにはあなたたちと
同じくらいの子供がいて、あなたたちを見たら
恋しくなったのかもしれないね…その人たちの分にも、
きちんと学んで帰ろうね…」
という先生の顔は、なぜか少し悲しげでした。