投稿者:そらさん
18歳の夏に体験したお話です。
熊本の219号線を人吉から八代方面へ行くと
右側に球泉洞と言う結構有名な鍾乳洞があります。
そのまま219号線を少し進むと左に芦北方面に行く
大きな橋が見えてきます。
そこを曲がり、大きな橋を渡ってどれくらい走ったか覚えていないのですが、
(途中に海水浴場があったような・・・)
そんなに長くはないトンネルがあります。
私たちは、そこを「芦北トンネル」と呼んでいました。
(実際の名前は不明)
当時、熊本に付き合っていた彼がいたので遊びに行っていた時、
車2台で男6人、女3人その芦北トンネルに行きました。
トンネルの手前の右側にはお地蔵様があります。
たまにお地蔵様の頭がないらしいのですが、
(無い時は行かない方がいいらしい・・・)
有るのを確認し、いざトンネルへ・・・。
一度、トンネルを抜けてUタ-ンし、
今度はトンネルの真ん中で2台の車を停車させ、
ホ-ンを鳴らしました。
エンジンを切ってみんな車からおりトンネルを見回していました。
すると、カランコロンと下駄の音がします。
当時、下駄(便所下駄)を履いていた人が2人居ましたので、
「M男君?」(下駄を履いていた1人)と
聞くと、「俺、運転席ばい」と返事。
「じゃあ、Jちゃん?」との質問に
「俺、ボンネットの上・・・」
一気に静まりかえったトンネル内に
下駄の音がだんだんこちらに近づいて来ます。
その音は近づくにつれて速くなります。
カラ~ン・コロ~ン・カラ~ン・コロン
カラン・コロン・カラン・コロ・カラ・コロ!
みんなバタバタと車に乗り込み、エンジンをかける。
しかし、1台の車のエンジンがなかなかかからない。
ホ-ンを鳴らしながら早くしろよ!!と焦らせる。
ようやくかかり、猛スピ-ドでトンネルから逃げていく途中で
後部座席に座っていた私は、
窓に女の人が張り付いているのを見ました。
何か言っているんです。
口がパクパク動いているのが分かります。
「・・せ・て・・」
「の・せ・て・・・」
そう理解出来たときには私は気絶していました。
友人に起こされ気が付いたらファミレスの駐車場でした。
その時、女の人の姿は何処にもありませんでした。